原料による分類
ウィキペディアより
「雁皮紙(がんぴし)は、ジンチョウゲ科の植物である雁皮から作られる和紙である。
雁皮の成育は遅く栽培が難しいため、雁皮紙には野生のものの樹皮が用いられる。古代では斐紙や肥紙と呼ばれ、その美しさと風格から紙の王と評される事もある。
繊維は細く短いので緻密で緊密な紙となり、紙肌は滑らかで、赤クリームの自然色(鳥の子色)と独特の好ましい光沢を有している。
丈夫で虫の害にも強いので、古来、貴重な文書や金札に用いられた。日本の羊皮紙と呼ばれることもある。
しかし、厚い雁皮紙は漉きにくく、水分を多量に吸収すると収縮して、紙面に小じわを生じる特性があるために太字用としては不適とされ、かな料紙・写経用紙・紙などの細字用として使われるのが一般的である。
平安時代には、厚さによって厚様(葉)・中様・薄様と言われ、やや厚目の雁皮紙を鳥の子紙と言って、越前産が最上とされた。
雁皮は謄写版原紙用紙の原料として大量に使用されていたが、複写機が普及して以来急激にその使用量が減少した。
ちなみに、鳥の子紙は雁皮と楮を混ぜたものである。」
弊社(旧社名 且l国謄写堂)は謄写版(ガリ版)原紙用紙の原料として雁皮を使用していました。
雁皮を使用した弊社のガリ版用紙は鉄筆でガリを切るのに破れにくく、大量の印刷が出来ました。
主に関東の印刷会社が使用していました。理想科学工業株式会社もかつては弊社の謄写版原紙を使用していた印刷会社でした。 理想科学工業株式会社の
広報誌「理想の詩」1992年9月号
紙の特質として、緻密で、油をよく吸い取るので、現在は、版画用紙(特に木口木版),脂取り紙、花火用紙などに使用されています。
又、雁皮は箔打紙に使われています。(弊社では製造していません。)
雁皮の木です。 和紙に使用するのは靭皮(じんぴ)といわれる表面近くの皮です。
切り取るとすぐにそのまま剥ぐとの事です。楮(こうぞ)、三椏(みつまた)は蒸してから剥ぎます。
写真をクリックすると拡大します。
購入した雁皮です。
10年以上購入していないので次回購入ができるか心配しています。
雁皮を一晩水につけてソーダ灰で煮熟します。
水洗いしてチリ取りを行います。雁皮はチリが多いので、手でのチリ取りは大変な作業になります。
雁皮のチリ
雁皮紙の製造は和紙製造工程を見てください。
製品
薄様雁皮紙(A) うすようがんぴし
100%雁皮、ほとんどチリなし、10g/u
薄様雁皮紙(B)
100%雁皮、少しチリあり、10g/u
薄様雁皮紙(白)
100%薬品で漂白した雁皮、10g/u
雁皮紙(20g)
100%雁皮、20g/u
雁皮紙(20g、白)
100%薬品で漂白した雁皮、20g/u
表面雁皮紙
表:100%雁皮
裏:木材パルプ
表面雁皮紙(白)
表:100%薬品で漂白した雁皮
裏:木材パルプ